もうひとつの住居表示
街角に何気なく立っている 電柱を気をつけてみる人は ほとんどいません。まして 電柱には名前がついている こと、電力会社と電話会社 の二つの名前が有ることを 知っている人は皆無です。 この名前は管理するための ものですから、その場所の 地名をつけるのが普通なん ですが、よく見ると風情が あるものや歴史を感じさせ るものがあって、面白いん です、これが。
先ずは広島の宇品港の近くで見つけた<港電柱 編>
上左、NTTはそのものズバリの「海」
電力会社は「コウワン(港湾)」です。
上右は「港」で最後は「波止場」。風情が
あっていいですね! 本当の住居表示でも
こんな地名がつけられないかなと思います。
<懐かしの風物詩 編>
左は広島市中区江波にある懐かしい名前。懐かしいと言っても 実際に塩田を見たことは有りません。この辺りに塩田があったか どうかもわかりません。小学校の頃、瀬戸内海の塩田というのを 習った記憶が有るというぐらいです。気象台は今は博物館になっ ていますが建物は残っています。 右は安佐南区古市の電柱。このあたりは昔、麻紡績で有名でし た。区役所も工場跡に建てられたという話を聞きました。その区 役所の前の道は、昔は国道でしたがバイパスができたため旧国道 になったのです。
<広島の神田 編>
どちらも「神田」ですが電柱のある場所は違い ます。 上は広島の宇品神田町にあるもの。宇品神田町 はそこにある神田神社が名前の由来となっていま すが、この神社は明治の中ごろまで、東区の牛田 に有りました。牛田には神田山が有り神田神社が 有りました。橋が少なかった江戸時代に既に橋が 架けられていたそうです。今も白島から牛田に向 けて神田橋が架かっています。
そこで下の電柱ですが、今の神田橋の近くに有 るのではないのです。安佐南区の東野にあります。 昭和30年代まで古川にも神田橋があったので、 この電柱の名前はその名残りでしょうか?なぜ神 田橋という名前の橋だったのかについては、おそ らく牛田の神田橋と同様、神田神社との関連があ るのではないかと思っていますがどうでしょうか。 どなたかご存知でしたら教えて下さい。
<昔の地名 編>
最後は「北庄(きたのしょう)」 これも安佐南区の東野で見つけました。 江戸時代、古市・中筋・東野・小田・ 矢口を含む一帯を「北ノ庄」と呼んで いたそうです。なるほど!「北庄」か とびっくりして納得しました。 この辺りに電話が引かれた時に北ノ 庄という地名が残っていたのかどうか は確かめていません。残っていなかっ たとすれば、担当者の個人的考えでこ の名前をつけたのか、それともこの辺 りにはこんな名前がよろしいと会議で 決められたのか?電柱の名前の付け方 はどうなっているんでしょうか? いずれにしても、味気ない住居表示 名が増えている中で、この調子で残し ていって欲しいと思います。
<広島駅周編>
上の左は去年新しい球場ができた、東広島貨物駅跡地近くの電柱。 近くには荒神陸橋が有ります。 右は広島駅に続く地下道出口あたりの電柱。 地下駅があるということではありません。
<おまけ>
「見たらいかん!」ではなく
「御手洗幹」という意味です。
広島県呉市、大崎下島にある昔の
潮待ち港 御手洗港にありました。
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