一度は行かなくてはと思いながら行けなかった場所が鞆の浦です。暑い盛り
でしたが、列車で出かけ、福山からはバスに乗りました。最初は晴れていたの
ですが、仙酔島が見える頃には雨になっていました。
鞆は万葉の昔から潮待ちの港と言われていたそうですが、瀬戸内海のほぼ中
央に位置し、西と東の潮の流れの変わるところだそうで、そうか!それで潮待
ちかと納得しました。潮の変わり目を待つ。鞆に来ると、あんがい運が向いて
くるかもしれません。
江戸時代の建物が多く残り、町並みや港風景が素敵な町ですが、行政が進め
ようとする港の埋立と道路整備に対し、景観が損なわれるとの意見も根強く、
町民の意見も分かれています。一昔前から、日本の各地で繰り返されてきた論
争に揺れている、万葉の潮待ち港・鞆の浦を歩きました。保存と生活の向上を
二者択一と割り切る考え方には同調できませんが、鞆の町は路上観察的には宝
庫です。