地球が舞台

2004年4月
フィリピン ゴミの山の学校
「パアララン・パンタオ」(思いやりの学校)ニュース

☆パアララン・パンタオ2003〜2004

6月 新学期が始まりました。

 3歳から16歳まで85名の生徒が登録しました。
 午前中は3歳から8歳まで、午後は9歳から16歳までのクラスを開きました。
 学習困難な生徒のための特別クラスも開きました。
 ベイビー先生、クリスティーナ先生、マリアフェレ先生が、各クラスを担当しました。



校外学習でのスナップ・タガイタイにて

8月 パアララン・パンタオの分校(エラプ)を開校しました。

 4歳から7歳まで59名の生徒が登録し、午前のクラスを開きました。
 その後、午後のクラス(8歳から12歳。18歳の女子も登録)も開きました。

 レティ校長先生、ヨリー先生、テリー先生が担当しました。

 分校の開校に伴い、レティ先生の息子のジェイコーベンも、しばらく仕事を休職してパアララン・パンタオの先生に。多忙なレティ先生を助けています。

12月 校外授業(6日)

 パヤタス校エラプ校の両校の生徒が参加。フィリピン有数の景勝地タガイタイまで、バスに乗って遠足に行きました。
 美しい自然を満喫、広々とした草原を駆け回って遊びました。
 フィリピンや日本の友人たちもボランティアで参加しました。

12月 クリスマス・パーティ
パヤタス校(20日)エラプ校(21日)

 日本からの留学生、海外青年協力隊のメンバーなど、海外や国内の友人たちも迎えて、ゲームや手品、人形劇、ダンスや歌などで、楽しく過ごしました。
 子どもたちはオチョオチョというダンスで大ブレイク。ランチセットに、文房具やシャツなどのプレゼントもあって嬉しい一日でした。

 4月5月は夏休み、6月から新学期が始まります。


クリスマスパーティ(パヤタス校)(Photo by Kayo Sawaguchi)

クリスマスパーティ(エラプ分校)(Photo by Kayo Sawaguchi)

☆エラプ分校ニュース

 2000年7月10日、パヤタスのゴミの山がいきなり崩れて数百人の人々が亡くなるという大きな事故があり、パアラランパンタオの生徒も23名が犠牲になりました。
 事故の後、多くの人々が隣のリサール州モンタルバンの再定住地(通称エラプシティ)への移住を余儀なくされました。移住後、修学の機会を失ったままの子どもたちも多く、住民たちからは、近くにパアララン・パンタオのようなフリースクールが欲しいという希望が寄せられていました。そこで空き室を買い取り、分校とすることになりました。
 2003年8月からクラスを開いています。

○レティ先生、ヨリー先生へのインタビュー

レティ先生 「ヨリーは10年も前から私たちを助けてくれているのよ。ソーシャルワーカーとして、この地域の人たちのコミュニティをつくっていくために力を貸してくれていて、今はエラプ校の先生もしてくれている」
ヨリー先生 「人々にはコミュニティが必要だったし、責任を果たせていたら嬉しいわ。一緒に仕事ができて幸せと思っている。学校について言えば、一番大きな問題はお金の問題。もちろん私たちの能力の問題もあるけれど、 十分に行き届いた教育ができているとは言えない。エラプ分校は、教室がとても狭くて、希望する生徒たちの3分の1しか受け入れられない。ローンの支払いも大変だけど、増築も必要と思う。日本の人たちの支援に助けられているのよね。それが頼りなの。ありがとう。本当に感謝しています」。

ヨリー先生 「同じことを、繰り返し繰り返し繰り返し教えているわ」
レティ先生 「繰り返しが大事よ。記憶すること、理解することが苦手の子が多いから。今日教えても明日は何も覚えていない」
ヨリー先生 「子どもたち、遊んで働いて、疲れているのよ。大人と同じように働いているもの。エラプの人たちもゴミ山で働いている。一晩じゅう、赤ちゃんを連れてゴミ山でゴミを拾っている母親もいるわ。子どもたちも。通りや家の近所でゴミを拾ったりしている。 それに家庭が不安定なのも問題。親たちは離婚したり再婚したり。子どもの教育このことは考えていないわ。子どもを祖父母にあずけっ放しにして、マニラに働きに行ったまま帰ってこなかったり」
レティ先生 「子どもにとってここは危険な場所。ゴミ山も危険だけれど。ほんの小さな子もゴミを拾っている。家庭が危険な場所になることもある。家庭崩壊は深刻な問題。義理の娘をレイプする父親だっているんだから。親達にも教育が必要なのよ」。



エラプ分校前で(Photo by Kayo Sawaguchi)


レティ先生(左)とヨリー先生(右)


☆奨学生ニュース

 エレインジョイ・レイエスさんが2004年3月、ハイスクールを卒業しました。長い間応援していただき、本当にありがとうございました。(この6月から個人的なスポンサーを得て、カレッジに進学します。)


校外学習・タガイタイにて

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