地球が舞台

2005年4月
フィリピン ゴミの山の学校
「パアララン・パンタオ」(思いやりの学校)ニュース

☆2004年度のパアララン・パンタオ

6月、新学期が始まりました。

(パヤタス校)

 4歳から17歳まで117名の生徒が登録しました。午前(4歳〜7歳)と午後(8歳〜17歳)のクラスを開きました。シェリーダン先生、ジェーン先生、クリスティーナ先生が各クラスを担当しました。


(エラプ校)

 4歳から15歳まで110名の生徒が登録しました。午前(4歳〜6歳)と午後(7歳〜15歳)のクラスを開きました。教室が狭いため隔日おきのクラスもありました。主にベイビー先生とテリー先生が担当しました。





授業風景(パヤタス校) (Photo by Kayo Sawaguchi)

給食を再開しました。
(パヤタス&エラプ校)

 シンガポールのグループ(Mission Youth Group from Singapore ACTS 29)の支援で2004年6月から給食を再開しました。
 パヤタス校はスタッフのジュリアンが、エラプ校はテリー先生が、調理を担当しました。

健康診断を行いました。(8月、9月、11月)
(パヤタス&エラプ校)

 日曜日にボランティアのお医者さんに来てもらいました。年齢に比べて身長、体重ともに小さい生徒が多いようです。診察後、ビタミン剤や必要な薬をもらいました。耳の診察(9月)や歯科検診(11月)も行いました。

11月 校外学習(28日)
(パヤタス&エラプ校)

 パヤタス校エラプ校の両校の生徒が参加。バスを貸し切って動物園やマニラ湾近くの遊園地に行きました。日本人留学生もボランティアで参加しました。

12月 クリスマス・パーティ(18日)
パヤタス校(午前) エラプ校(午後)

 生徒たち、親たち、友人たちも集って、ゲームやダンスなどで賑やかに過ごしました。お昼ごはんもありました。子どもたちは、服や靴、玩具、20ペソのお小遣い、などのプレゼントをもらいました。日本人留学生たちは楽器と歌でクリスマス・ソングメドレーを披露し、子どもたちひとりひとりに手作りのミサンガをプレゼントしました。

エラプ校の増築工事が始まりました

 2004年7月中旬から、スイスのグループ(Alban Memorial Foundation)の支援で、教室の増築工事がはじまりました。
 途中、台風や資金不足のため工事の中断もありましたが、再開し、クリスマス頃には1階部分の工事を終え、その後キッチンとトイレもできました。現在2階部分の工事がすすめられています。6月の新学期までの完成を目指しています。


給食 (Photo by Kayo Sawaguchi)


クリスマス・パーティ(パヤタス校) (Photo by Chie Ohno)


クリスマス・パーティ(エラプ校) (Photo by Chie Ohno)

☆奨学生ニュース

 2004年度、パアララン・パンタオは大学生4名(内2人は個人のスポンサーの支援)高校生2名、小学生5名に奨学金(学費、交通費他)を支給しました。

☆4月5月は夏休み。
6月から新学期が始まります。

 新学期から毎週土曜日に、国内の教育NGOチルドレンズ・ラブ(Childrens Laboratory for Drama in Education Foundation)による特別授業を開く予定です。アート講座ということですが、パヤタスの子どもたちの現実に即して、生きる力をつけるためのワークショップのようなものになると思います。
(チルドレンズ・ラブは、ユニセフと協力してストリートチルドレンの教育などに携わっているNGOで、パアララン・パンタオの開校にも尽力してくれました。教師の派遣や教育技術の提供、資金面での援助など。その後も、問題を抱えた生徒たちの心のケアなどに力を貸してくれています。現在もパアララン・パンタオの先生たちは毎年、チルドレンズ・ラブの講習を受けています。)

☆現在のパヤタス
ゴミ山事情とパアララン・パンタオ

 2005年に入って、ゴミ山を広げる工事が、パヤタス校のすぐ裏の空き地ではじまりました。急勾配で危険なゴミ山の傾斜を、なだらかにするためと思われます。それに伴い、パヤタス校を含む周辺の住民に対して移転の話がもちあがっています。学校の移転に際しては、近くに代替の土地と建物が提供されるようですが、まだ具体的な話はすすんでいません。
 近年中にパヤタスのゴミ山を閉鎖し、発電所を建設する計画もあるようです。ゴミ山に依存して生活している住民たちの今後の生活のことも気がかりです。
 パアララン・パンタオは、6月から新学期がはじまりますが、当面は現在の校舎でクラスを開きます。校舎のすぐ裏にゴミが捨てられるようになったため、臭いがひどく、子どもたちの健康にもよくないなど、心配な点も多いですが、移転の問題も含めて、子どもたちにとってより良い方向に変化していってほしいと願っています。
 移転の問題が落ち着いたら、親たちのためのクラス(主に栄養や衛生に関する教育)も開きたいと考えています。


工事中のエラプ校 (Photo by Chie Ohno)


広がるゴミ山 (Photo by Chie Ohno)

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