地球が舞台

2007年3月
フィリピン ゴミの山の学校
「パアララン・パンタオ」(思いやりの学校)ニュース

☆パヤタス校、移転しました。

 9月以降、ゴミ山拡張に伴う移転の話が急速に進展し、パヤタス校と周辺の250世帯余りが立ち退きの対象となりました。住民たちは最低賃金の2か月分の現金という決して十分ではない保障で、パヤタスまたはモンタルバンの再定住地域に、それぞれ移転先を探して移って行きました。パヤタス校については、当局が近くに新校舎を用意するということで、12月に周辺の家々が取り壊されたあとも、新校舎が完成する2月のはじめまで、ゴミのなかに取り残された旧校舎で授業をつづけました。
 2月3日に引越し。新校舎はまだ一部工事中で電気も水もありませんでしたが、数日後には、引越し荷物の片付かないなか授業を開始しました。その後、電気も通り、水はまだですが、新学期に向けて少しずつ整備をすすめています。


工事中の新校舎(2006年12月)
後ろはゴミの山。現在はもっと南側に捨てられている。





完成したパヤタス校新校舎 2007年2月


拡張されたゴミの山と取り壊し間近の旧校舎。(2007年2月)
1988年から子どもたちの学び舎だった。

☆2006年度のパアララン・パンタオ

6月、新学期が始まりました。312名が登録。

<パヤタス校>

 92名の生徒が登録しました。午前(7歳まで、2クラス)と午後(8歳以上、2〜3クラス)のクラスを開きました。ジェーン先生エルサ先生が担当しました。

<エラプ校>

 220名の生徒が登録しました。すべて初級クラス(5〜7歳。数名、年長の生徒もいます)。午前中は2部制、4クラスずつ。午後4クラス。レイナルド先生クリスティーナ・Y先生マリリン先生クリスティーナ・R先生が担当しました。
 レイエス校長先生ジン先生が、両校の教師指導と授業サポート、カリキュラム作成などにあたりました。


給食も毎日ありました。

(11月頃、資金不足で一時中断。パヤタス校は引越しのため、2月頃も中断)Mission Youth Group from Singapore ACT 29 の支援。
 レイナルド先生(買出し)、スタッフのジュリアン先生(パヤタス校)とテリー先生(エラプ校)が給食を担当しました。近隣の主婦ディナさんとレレットさんが手伝いました。

12月 クリスマス・パーティ
(16日パヤタス校、エラプ校、17日エラプ校)

 JICAメンバーによる人形劇、留学生の歌などもありました。留学生からは生徒たちに折り紙の鶴のプレゼント。

2007年2月 パヤタス校新校舎に移る。
4月5月 夏休み

 夏休みですが、例年通り夏季クラスを開く予定です。先生たちのトレーニング(国内の教育NGOによる)もあります。

2007年6月 新学期が始まります。

☆奨学生ニュース

 2006年度、パアララン・パンタオは大学生7名(内1名は個人のスポンサー、2名はスイスのグループの支援)、高校生2名(1名は後期から個人のスポンサー)、小学生2名に奨学金を支給しました。
 大学生の奨学生たちは、クラスが休みの日は、パアララン・パンタオに来て、ボランティアで生徒たちを教えています。


授業風景・パヤタス校旧校舎


給食・パヤタス校旧校舎


クリスマスパーティ・エラプ校

☆エラプ校の増築工事について

 当初、2階建て、屋上はフェンスをつけてアクティビティースペースとする予定でしたが、生徒数の増加により3階建てに変更。昨年は、スイスの団体(Alban Memorial Foundation)の支援で、3階の屋根のみ工事を行いました。その後資金不足で中断しています。3階はまだ壁もフェンスもなくて使えず、危険でもあるので、まず壁とフェンスの工事を急ぎたいと思っています。土地のローンはあと2年残っています。ご理解ご支援をよろしくお願いいたします。

☆みなさまへ

 日ごろからのご支援、激励ありがとうございます。おかげさまで、2006年度も元気に、子どもたちは勉強を続けることができました。深く感謝申し上げます。
 2006年度は、パヤタス校の移転という大きな出来事がありましたが、新校舎も完成し、無事に移転を完了することができました。エラプ校のあるモンタルバンの再定住地域は、人口増加が著しく、生徒数も増加しています。中断したままの増築工事も、なんとか完成に結びつけたいと願っています。
 4月5月は夏休みですが、夏季クラスを開く予定です。6月から新学期を迎えますが、今年度は、資金不足で長い間据え置かれたままの教師の給料を昇給させたいと考えています。現在、教師・スタッフの給料は3000〜6000ペソ(1ペソ=2.5円)で、法律で定められた最低賃金(9000ペソ)の3分の2以下です。校長のレティ先生にいたってはずっと無給で学校を支えており、現在も2校を行き来するための交通費として月5000ペソを受け取っているだけです。ベテランの教師が別の収入のいい仕事を見つけてやめていくのがとても残念です。すこしでも最低賃金に近づくように、1000ペソずつの昇給をはかりたいと思いますので、どうかいっそうのご理解とご支援をよろしくお願いいたします。


エラプ校(2006年12月)


パヤタス校新校舎で(2007年2月)


ゴミの山へ続く道・パヤタス校旧校舎付近


拡張されたゴミ山で・パヤタス校旧校舎付近

エラプ校・2階のベランダ


掃除・エラプ校旧校舎

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