地球が舞台

2007年8月
フィリピン ゴミの山の学校
「パアララン・パンタオ」(思いやりの学校)ニュース

☆6月、新学期が始まりました。193名登録。

(パヤタス校)

 5歳から14歳までの57名(5歳16名、6歳16名、7歳12名、8歳10名、10歳1名、11歳1名、14歳1名)が登録しました。午前と午後のクラスがあります。ジェーン先生プリンセス先生が担当します。レイエス校長が、両校の教師の指導とサポートをしています。

 パヤタス校は、ゴミ山の拡張に伴い立ち退きを強いられたため、今年2月に管理当局が用意した新校舎に移転しました。水や電気の確保など、新校舎の整備もすすみ、新しい看板(写真下)もできました。しかし、新校舎もゴミ山の麓にあるため、ゴミ山の臭いやゴミのトラックの騒音など、環境的には旧校舎と変わりません。




(エラプ校)

 5歳から11歳までの136名(5歳42名、6歳64名、7歳16名、8歳12名、11歳2名)が登録しました。午前と午後のクラスがあります。
 ベイビー先生メイビー先生ミルナ先生コナ先生リサ先生が担当します。

 両校とも、今年度は15名程度の少人数クラスを実施します。年齢も学力も違う生徒たちへのきめ細かな指導が必要なためです。住民が増えて入学希望者が増加する一方のエラプ校では、家庭訪問をして、家庭的、経済的、学力的に、公立小学校や他のデイケア施設に通うのが困難な生徒だけに受け入れを限定しました。




エラプ校の生徒たち


エラプ校2階・ベイビー先生のクラス

給食もあります。

 今年度も引き続きシンガポールのグループ(Mission Youth from Singapore ACTS29)が支援してくれています。パヤタス校の給食は、スタッフのマリリンさん、奨学生のエレインジョイさんが助け合って準備しています。エラプ校の給食は、ジョセリンさんが担当しています。

☆奨学生ニュース

 今年度、パアララン・パンタオは大学生6名(内1名は個人のスポンサー、4名はスイスのグループAlban Memorial Foundationの支援)高校生1名(個人のスポンサー)小学生1名に奨学金を支給します。
 ご理解ご支援をよろしくお願いいたします。

 大学生(6名)

●ユージン・ロトル     Eugene Rotol(23歳)
 メトロマニラ・カレッジ、犯罪心理学。4年生。
○マリベル・ガレロ     Maribel Galero(24歳)
 リサール大学モンタルバン校、教育学。4年生。
○チェリー・クイタイン   Cherry Quitain(20歳)
 パマンタサン大学モンタルバン校、ビジネス経営学。3年生。
○マリッサ・モロン     Marissa Molon(19歳)
 パマンタサン大学モンタルバン校、ビジネス教育。3年生。
○リオ・エヴァンジェリスタ Rio V Evangerista(24歳)
 パマンタサン大学モンタルバン校、ホテル経営学。3年生。
◎エレインジョイ・レイエス Ma.Eaine Joy Reyes(21歳)
 デリマン・プレパラトリー校、医療事務。1年コース。

 4年間、学費等を応援していただきましたマリージョイ・ロトルさん(21歳)は、カレッジを卒業しました。ご支援ありがとうございました。現在就職活動をしています。
 エレインジョイさんは、大学の看護科で学んでいましたが、去年の後半、体調を崩して休学。体力的に看護師の仕事は難しいという判断で、進路を変更、医療事務を学ぶことになりました。
 失業率の高いマニラでは、大学を卒業してもコネがなければ就職が難しい現実があります。パヤタスのような貧困地域出身の子どもたちはいっそう大変ですが、がんばってほしいと願っています。
 最初の奨学生のひとり、ジュリアン・ドネイル君は、大学卒業後、パアララン・パンタオのあらゆる雑用を献身的にこなしてくれていました。昨年、貿易関係の会社に就職が決まり元気で働いています。

 高校生(1名)

◎ジョシエル・カニエタ Jociel Caneta
 (17歳) 2年生。

 小学生(1名)

●ロレイン・バンズエラ Ma.Louraine Banzuela
 (16歳) 6年生。

 パヤタス・オープンメンバーは●の生徒について、学費・交通費等を応援します。(○はスイスのグループ、◎は個人の支援)

 昨年の奨学生のうち、2名の奨学金を打ち切りました。高校生1名は、赤ちゃんを出産し停学しています。小学生1名は、母親が来てパヤタスから連れて行き所在不明となっています。

   
ユージン・ロトル               マリベル・ガレロ

   
チェリー・クイタイン             マッリサ・モロン

   
リオ・エヴァンジェリスタ         エレインジョイ・レイエス

   
ジョシエル・カニエタ           ロレイン・バンズエラ

☆エラプ校の増築工事

 資金不足で中断していたエラプ校の工事を再開しました。柱と屋根しかなかった3階も、壁と床とフェンスの工事がすすみ使用可能になりました。もうじき完成の予定です。

☆助成金

 今年度、(社)全日本社会貢献団体機構(遠山敦子会長)様より、100万円の助成金を出していただき、エラプ校の増築工事を再開することができました。記して感謝申し上げます。

☆ゴミ山事情

 現在、砂時計のようなかたちに繋がっている2つのゴミ山を拡張して1つにまとめる工事がすすめられています。ゴミ山を1つの山にまとめたあとは、閉鎖して管理するということですが、ゴミから自然発生するメタンガスの産出プロジェクトもあるということで、実際に閉鎖されるかどうかはわかりません。現在、スカベンジャー(ゴミ拾い)の組合に所属している住民以外のゴミ山への立ち入りは、禁止されており、立ち入りには当局の許可が必要です。

  


増築工事完成間近のエラプ校全景 2007年7月


エラプ校3階 床とフェンスができました。

戻る