2007年10月27日。関東地方沖合を通過する台風20号の影響で大雨と強風に見舞われた土曜日の夜、Heart Streamのバック・イン・タウンでのライブは、嵐を物ともせずご来場いただいた大勢の音楽ファン、PP&Mファンの皆様のお蔭を持ちまして、大盛況のうちに幕を閉じました。

Heart Streamのいつものテーマ『懐かしさと新鮮さ』に加えて、バック・イン・タウンへの4回目の出演となるこの夜のライブのテーマ、”The Power of a Simple Song” (素朴な曲が持つ力)は、およそ１年をかけて準備したHeart Streamにとっての新曲の中でも、特にその歌詞の持つメッセージがHeart Streamの活動意義そのものとさえ感じられる曲、”Music Speaks Louder Than Words”の歌詞から拝借しました。

今回は、PP&Mクラシック・ナンバーとPP&M通の皆様が好まれるであろうと思われる曲に、Heart Streamがライブで初めて披露させていただく新曲6曲を散りばめてセット・リストを考えてみました。毎度のことですが、これは是非お届けしたい！という最少限の曲を並べた後は、どの曲も外すことができません。その結果、第1ステージは60分、第2ステージは80分という長丁場となってしましました。長時間Heart Streamにお付き合いいただいたご来場のお客様には、改めて御礼申し上げます。

PP&Mは、”Music Speaks Louder Than Words”の中で、「伝えたいことや愛情を言葉では上手く伝えきれないとき、初めて出会った人と友達になるのが難しいと感じるときに、音楽の魔法がメッセージを相手の心に届け、共に歌い演奏することが人と人を結びつける。」と歌っています。

このようなパワーを持つ、PP&Mが1962年から演奏して来た数多くの曲の全てが、これから先も綿々と歌い継がれて欲しいという期待を込めて、演奏させていただきました。

PP&Mが演奏する曲の歌詞が持つ普遍性にはいつも驚かされます。1979年のスリーマイル島原発事故をきっかけに原子力発電反対のメッセージを込めてJohn & Joanna Hallが書いた”Power”の歌詞は、地球温暖化への警鐘と対策を呼びかけるメッセージとしてそのまま通用するものです。PP&Mの1983年のアルバム”Such Is Love”のライブ録音で聴けるこの曲を、第2ステージの最後の曲としてお届けしました。

「あなたの、私の、そして私たちの子孫の命は危機に晒されている。得るものが大きいのと同時に失うものはもっと大きいかもしれない。正しい選択を迫られているのだ。私たちには漸くわかって来た。自然のバランスがどれほど繊細なものかを。人類は決められた生き方の一線を越えてしまったのだ。」

ライブを重ねて行くにつれて、ホームページなどでHeart Streamの存在を知っていただいて初めてご来場いただくお客様や、PP&Mをリアルタイムでご存じない若い世代の方々のご来場が少しずつ増えていることは、本当に嬉しいことです。これが正に、”Music Speaks Louder Than Words”を実感する瞬間です。そして、ライブの間、会場に満ちた客席の皆様の音楽を愛する心が発する“気“と、それに反応するHeart Streamの4人の”気“が醸し出す一体感。これこそが、500マイル離れた遠距離バンドHeart Streamが益々活発に活動を続けようと思う原動力となっています。

1968年から3年間の高校時代の活動から30余年を経て再結成したPP&Mカバー・バンドHeart Streamの演奏活動は7年目に入りました。音楽を愛する皆様の暖かいご声援に包まれて、Heart Streamの4人は、これからも精力的に活動を続けて行きたいと思いますので、引き続きご支援を、よろしくお願いいたします。