使用器具

器 具

規 格

用 途

備 考

栄養カテーテル 3〜5Fr(フレンチ)

数本

注射器と連結して使用
授乳時口腔へ挿入する
目が開く前のジャンガリアンには3Frが最も適している
先端部を切り、焼いて丸めると使いやすい。
留置針 22G(ゲージ)
または24G

数本

同上 カテーテルがあればなくてもよい
中の金属針を抜き、外側のシリコン部分だけ使う。
ディスポーザブル注射器 1ml

数本

ミルクを飲ませるのに使用
量が0.01ml単位までわかる
昆虫採集用2ml注射器だと
安価で入手が容易
ディスポーザブル注射器 10mlまたは20ml

1本

粉ミルクを溶かす湯の量を
測定するのに使用
計量カップや計量スプーンで
代用可能
カップ 200mlくらいのもの

1個

ミルクの材料を混合する  
ポット  

1本

ミルク用の湯ざましを作る  
 

1個

器具の煮沸消毒用  
料理用秤 1kg

1個

子ハム体重測定
および粉ミルクの計量
電子式のほうが
正確で使いやすい
綿棒   1セット 肛門マッサージ用
先をぬるま湯で
湿らせて使う
 
温度計 室温用

1本

飼育温度管理用 温度は33℃に保つ
保温用設備        

ハムスター用ミルクの内容

ここでは参考文献にしたがったミルクの配合をご紹介しているが、現在ではペットショップや病院に、ハムスターの育児のためのミルクが販売されているので、こういうものを便利に利用するとよいと思う。

なおベースとなった犬用ミルクがなければ、猫用のものでも代用できる。
(かかりつけの獣医さんは猫用のミルクの方が成分が濃いのでオススメとのことだった)

材料名

備 考

イヌ用粉ミルク 3.15g 正確には測れないので
だいたい3gというところを基準にした
溶けにくいので、慣れが必要
油分が多く、汚れ落ちも悪い
ぬるま湯 9ml 注射器で量をはかる
注射用50%ブドウ糖液
(1本あたり20ml)
1ml 本来的には40%
入手困難により代用品の50%を使用
ハムスターのビタミン 数滴 市販品を使用

授乳時ハムスターの固定

親指を他の指で軽く握った内側に子ハムを入れ、頭を出せるようにする。
手のひらの親指側を、傾斜の上にするとよい。

物品の消毒

授乳用の小鍋を購入し、3〜5分程度煮沸消毒した。
最初は授乳後毎回行い、生後10日目(薄目をあけるころ)から
消毒を1日1回に減らした。

離乳食

授乳に使用した残りミルクを、ペレットをふやかすのに使うと、食べがよくなる。
ただしミルクは傷みが早いと思われるので、交換を頻回に行うよう気をつける。

新たな食品を与えるときには、まず1頭に与えてみてから全員に与えてみるほうがよい。
(下痢などがおこったばあい、全員を治療しなければならないことになる)

離乳期に白菜を与えると腹部膨満で死亡した例があるので、避けた方がよい。

ミルワームは嗜好性があるが、殻が固く多食させると腸閉塞の原因になるので注意すること。

授乳量と速度など

授乳量は、腹がパンパンになって胃のミルクが透けて見える程度。
それ以上入らない場合は、吐き出す。
飲ませていて「もういらない」というように手で管を払おうとしてから、
もう一押し飲ませる、という感じ。
頬袋のほうに管の先端を向けて飲ませると、やりやすい。
少しだけ「うえっ」とするくらいが、量の限界。

消化器に空気がなるべく入らないよう、管の中の排気はしっかりおこなうこと。

速度は、誤嚥しない程度の速さにするが、あまりゆっくり飲ませると途中で寝はじめる。
(まるで人の赤ちゃんのようである。)

ミルクがこぼれると、毛がべとべとになる。ティッシュで軽く拭いておく。
付着した残りのミルクは、自分で手入れしたり、他の子がなめたりする。(おいしいのかもしれない)
それでも取れない部分は、乾燥したら毛がごわごわになるが、
放っておくと自然に毛は生えかわり綺麗になる。

授乳後30分くらいは、良く眠るようである。

▽授乳の実際

授乳する亭主

苦悶しながらミルクを飲まされる子ハムの図

参考文献

ハムスタークラブ 長坂拓也著 誠文堂新光社 1996年1月28日発行 本体価格1262円
人工保育について P80〜82 を参考にしました。
ハムスター用ミルクは、マウス用として紹介してあった分量の1/10です。
温度管理も、この本を参考にしました。
子ハムが育ったのは、この本あってのことです。著者には本当に感謝しています。

Home