症状別トラブルの対処


 

スイッチを入れるとフューズがとぶ

 

現在出回っている真空管テレビの大半がこの様な状態です 電源の一次回路B回路などがショートもしくはショートに近い状態になっている 何秒か経過してからフューズがとぶのは真空管の故障が多い また単純にコードの劣化などの原因も多々あり

■トランス式の場合■

整流管を抜いて電源を入れ一次側か二次側かの故障を調べます この状態でフューズがとぶ様であれば一次回路もしくはヒーター電源のショートが考えられます トランスが手も触れられない程熱を持つ場合はトランスのレアショートが考えられます 二次側の場合整流管のフィラメントプレートのショート B巻き線のレアショート、もっとも多いのが平滑コンデンサの劣化によるショートです

■セミトランスレスの場合■

充電コンデンサ、平滑コンデンサの劣化によるショート コンデンサから何か漏れた様な後がある場合や どことなくふくらんでいる場合、亀裂がある場合は全て交換します フィーダー線がシャーシに触れている場合もフューズがとびます セレン整流器の劣化による場合も多々あります 特にオリジナルにこだわる必要が無い場合は良い悪いは別にしてダイオードに交換するのがベストだと思います

■トランスレスの場合■

真空管のカーソード ヒーターのショートヒーターに繋がる高周波バイパスコンデンサのショート、パイロットランプのソケットがシャーシにあったてショート、フューズホルダの接触不良、スイッチの接点劣化と言う事もあります

 

ラスタ(画面)が出ない(音は出ている)

 

現在出回っている真空管テレビの大半が上記のフューズがとぶ状態とこのラスタが出ない状態だと言っても良いほど多い症状です ブラウン管回路、高圧回路、水平回路、水平偏向出力回路、水平発振回路 AFCなどの故障ですが 販売からの経過年数を考えると また今まで何台かのテレビを修理してきました経験から白黒の真空管テレビに使われているコンデンサーはマイカ、セラミックコンデンサ以外のコンデンサは全て寿命を終え劣化、損傷しており正常な物はありません そう判断して間違えないと思います(コロンビア製のテレビに使われているような一部メーカーの物は除く)悩む前に全てを交換するのが一番簡単です 但し全てのコンデンサを交換したからと言ってもコンデンサ以外にも抵抗の断線や、トランス、コイルの断線などその他の不良箇所も多々ある事は確かですから コンデンサを交換しそこから色々と症状を詰めていくのが古いレテビを修理する近道だと考えています

輝度調節のつまみを一杯に回す、高圧のキャップが外れている、ブラウン管ソケットのゆるみや接触不良、真空管(ブラウン管、高圧整流管、ダンパ管、水平出力管、水平発振管、AFC管)の劣化やヒーターのショートなど状態は様々です 

■真空管ヒーターの断線のチェック■

トランスレスの場合真空管を全てチェックするのは結構な手間です テスタで調べるのが一般的ですが 機種によっては 簡単にチェックできるチェックポイントがあります

チェックポイントがあればヒーターの断線の発見は容易です

■高圧が出ているかのチェック方法■

この作業はとても危険が伴います 自己責任でお願い致します。大変危険な作業です 使用するドライバーは必ずグリップがプラスティックなどの絶縁性の良い物を使ってください

高圧整流管のプレートに絶縁の良いドライバーを近づけた時円弧状に青紫で1cm弱のスパークがとべば正常です 高圧整流管のプレートにスパークがとぶのにブラウン管に高圧が加わらない場合は高圧整流管(例えば1X2Bなど)のフィラメント、フィラメント電圧調整用抵抗の断線です アーノードキャップに絶縁の良いドライバーを近づけ直線的に1cm弱のスパークがとべば正常です 高圧回路が正常であれば画面に状態はどうであれラスタが出るはずです。

 

画面に横1本線

 

垂直発振、垂直出力管(例えば12BH7など)のヒーターの断線や劣化故障などが多いのですが 厄介なのが垂直発振トランスの断線です部品の入手は殆ど無理でしょうから 最悪の場合専門業者にトランスを巻き直して貰わなければなりません 断線とあきらめる前にトランスから出ているタップに半田を盛り直してみてくださいこの部分の半田が劣化していて断線と勘違いする場合もあります 負荷抵抗の断線の場合もあります

 

画面に縦1本線

 

水平偏向コイルの断線 部品交換と言いたいところですが部品の入手はほぼ無理でしょう 断線とあきらめる前にトランスから出ているタップに半田を盛り直してみてくださいこの部分の半田が劣化していて断線と勘違いする場合もあります 横1本の場合と同じくこのまま放置するとブラウン管を痛めますので注意!!

 

ラスタが出るまで時間がかかる

 

真空管テレビですから 30秒程度は当たり前なのですが1分以上掛かる場合は水平出力管のエミ減、ブラウン管が劣化している場合があります ブラウン管が劣化しているとフォーカス、や輝度も落ちます ブラウン管の交換と言うことになります

 

ブーと言うハム音が気になる

 

色々なパーターンが考えられますが 意外に多いのがAGCが最大になっていたり コントラストが強すぎたり これらはつまみを回すことで解決できます またトランス付きで整流管を使っているテレビであれば整流間管の不良、電源平滑コンデンサの劣化、不良も考えられます

 

画面が砂嵐状態で 放送が受信できない

 

チューナ部分の真空管を交換と言うのが一般的ですが 以前相談を受けた方の話を聞いて驚いた事があります 私が整備したテレビを譲ったのですが その方から全くダメとのご連絡がありました 私も色々と原因を考えていましたが 全くと言って原因が思いつきませんでした あれこれやりとりをしていた時に話がアンテナの話になり もしやと思い聞いてみたところ どうもその方の家のアンテナはUHFの物でコンバータも使わずにテストされていたようです これでは放送は受信できません 確かに現在のテレビは買ってきた時点で全てがプリセットされており電気屋さんでない限りUHFだのVHFだのと意識している人はいないと思います、殆どと言って良いほど昔の白黒時代の真空管テレビはVHFのみの受信でUHFはコンバーターもしくは室内アンテナを使わないと放送を受信する事は出来ません(もちろんVHFのアンテナを増設すれば問題ないと思いますが地域にも色々とありますので...。) トランジスタの白黒テレビや真空管のカラーテレビにはVHFのガチャガチャ回すチャンネルのほかにUHFのチャンネルが付いています(全てではないと思いますが) 私は幼少期にUHFコンバータを使っていた記憶があり古いテレビ=コンバータと思っていましたしかし 最近の方にはそれが全く理解されていないと言うことがその時わかりました ただUHFやVHFは地域的な事でもありますから ご家庭のアンテナがVHFの物であれば全く関係の無い話です また最近では古い真空管テレビにビデオを繋ぎ昔の時代劇などをみたり 単にインテリアの飾りにしたりと使い方は様々で 私のようにまともにテレビを見ている人は少ないのかもしれませんが...。

愛用のUHFコンバータ、手前が八木アンテナ製 後ろがナショナル

 

画像の右側に短い尾を引いている

 

スミアリングと言う症状で もし修理の際全てのコンデンサを交換してこの症状が起こったのであればピーキングコイルの断線が疑われます 半田ごてが当たったりして断線させている場合もありますのでチェックしてください また断線していないのであれば コンデンサ交換時もミス配線も考えられます(私はこれをよくやります)

ピーキングコイル

 

画面が左右に揺れる

 

セレン整流器の不良によってハムが混入していたり 真空管のヒーターとカーソドの絶縁不良などが考えられます 不良真空管の交換とセレン整流器をダイオードに交換する事で解決可能です 上下に揺れる場合はこれとは違います

 

ラスタは出るが音も絵も出ない

 

ラスタは出ているので同期回路、偏向回路、電源周りは問題ないと判断し チューナ、映像回路、音声回路のどれかが問題のようです コンデンサの不良や抵抗の断線が無いかを確かめます どの回路でもそうなのですがグリットリーク抵抗とプレート負荷抵抗、カーソド抵抗をチェックしていきます抵抗の断線は黒く焦げていて見た目にも分かる場合が多いです 単純に真空管の不良と言うこともありますが IFTの断線と言うこともあります 

 

真空管がエミ減になった時の症状(ほんの一例です)

■電源部 整流管■
症状としてはB電圧が下がりますから 画面が暗くなったり 薄くなったり小さくなったりと様々です またハムも出たりします だたし電源部のケミコンが劣化した場合も同様の症状が起こります 特にこだわりが無いのであれば 現在高価な整流管を使うより 安価なダイオードを使うのも良いかと思います
■チューナ球■
スノーノイズと言って画面が白っぽくなります 例えば6MHH3などの発振管が劣化するとハイチャンネルは映らないがローチャンネルは映る 6RHH2などの高周波増幅管が劣化するとローチャンネルは映るがハイチャンネルは映らないという症状が現れます 真空管テレビが現役で使われていた時代 このチューナ球はダメになる球の代表だったと聞いたことがあります
■水平発振、AFC管■
エミ減になると 電源を入れた直後は画面が横線の入った流れた様な状態になります時間が経過すると ちゃんとした画面になります 
■垂直出力管■
この球がエミ減になると垂直振幅がのびません 無理に伸ばせば 画面の上下が潰れた状態になります
■水平出力管■
高圧が下がり 暗くなり 左右のラスタが小さくなります
■高圧整流管■
軽度を上げようとすると 画面が大きく暗くなります 

 

デジタル放送が開始され現在のアナログ放送が終わった場合 古い真空管テレビは使えるのか?
使えます 但しそのままでは無理で デジタル放送が受信できるチュナーとかビデオ、DVD レコーダーなどの映像出力をビデオの外部入力へ接続しビデオのテレビ出力をテレビのアンテナ端子へ接続することにより見ることができます。またコンバータも今後販売されるのではないかと思います またUHFコンバータをお持ちの方であれば UHF TVトランスミッターも販売されていますので電波をとばして他の、テレビ、ビデオ機器から映像を受信する事も可能です

 

 

まだまだ沢山の症状があります コツコツと追加したいと思います

何度も書きますが 大半のトラブルはコンデンサの劣化によって起こる物です 販売当時であれば部分的な対応が当たり前だったのでしょうか 30年以上経過した現在ではそれは通用しません ある程度安心してテレビを鑑賞するレベルにするには電解コンデンサ、オイルコン、ペーパーコンの全交換は必至です その後に抵抗の断線チェック交換、真空管の交換と言った感じです