[朝市15周年をかえり見て]
                                 
                               かるが朝市 百目正美さん
     
 平成6年11月農業委員会のおすすめもあって、産直一号店としてJA狩留家
支店前にて会員30名でオープンする事になりました。
当時週休5日制が取り入れられ、企業も土曜.日曜は休みとして根づいた時
期でもあり、土曜日を設定し朝市を開催する事としました。
   
     開店時間も
冬場は、AM7時〜10時迄 (10月〜3月末迄)
            
夏場は、AM6時〜10時迄 ( 4月〜9月末迄)

 オープン後は口込により、遠くは広島市内.戸坂.温品方面より、近いところ
では倉掛.真亀.亀崎団地.福田.白木方面より多数の方の来店で行列が出
来るほど順調な伸びでした。売上も最高で年間1,300万円もありました。
かるが朝市は、加工品.特産品も多くご利用下さる方が増加して行った理由
の一つだと思います。
        
 加工品(もち・味噌・ジャム・ポン酢・キムチ・漬物)
         
特産品(完熟とまと・苺・いちじく・筍・甘柿・椎茸等)

 野菜では、旬のものが少量多品種売場をかざり、順調に伸びておりましたが
JAの経営改善で狩留家支店・上深川支店が小河原支店に統合される事とな
りました。この時期、各地区には多くの朝市もでき来店客も減少傾向で、会員
も高齢化が進み徐々に減少、支店がなくなったら今後朝市をどうするか場所
等をいろいろ検討していましたが、狩留家支店前の土地をお持ちの沖原様よ
朝市に使ってもいいよ、と暖かいお言葉をいただきました。

 早速、鉄パイプで売場を作り再出発する事が出来ました。感謝しております。
会員も再出発できることで地産地消を合い言葉で安全で安心な野菜作りに
頑張っておりますが、田畑には、鹿.猪.猿が出没。柵のない田畑では野菜
が収穫できません。これが狩留家の実情です。

 現在では、広島の百米道路で毎週日曜日に開かれている広島朝市にも出
店し、成果も上がっております。
過去15年間の売上1憶4,000万円については、会員にとっても地域にとって
も成果があったと思います。

 これからも会員一同、安心・安全な野菜作りに努力いたしますので、
ご利用いただきますようお願い致します。



   日本の介護食をかえる
   
                       介護老人保健施設ふかわ・くにくさ
                                   横山輝代子さん

 医療法人社団 あと会 介護老人保健施設ふかわ・くにくさは、周囲を
緑豊かな自然に恵まれた上深川町に平成16年10月開設以来、地域の
皆様に少しでもお役にたてる施設を目指して日々運営しております。

 介護老人保健施設とは、病状が比較的安定された方が、個々の能力に
応じた自立や自宅での生活を目指し、リハビリを含む看護や介護などの
適切なサービスを提供する介護保健施設です。
 病院が、人の病気を治すところであるとすれば、この施設は病気の人と
生活するところでもあります。日々の生活の中で食事は、私達同様、施設
で暮らすご利用者にとっても最大の楽しみのひとつです。私ども
あと会
では、ご利用者にとっての
よろこびである食事を、自前の厨房で試行
錯誤を繰り返しながら研究を重ねお出ししています。

 今では、噛む力や飲み込む力の衰えた高齢者にあわせ、さまざまな食
事形態が用意されていました。
「普通食」から始まり、硬い食材を刻んだ
「きざみ食」さらに細かく刻んだ「極きざみ食」、そして最も噛む力や飲み
込む力が衰えた高齢者にお出しする食事は、ミキサーにかけてドロドロ
にする
「ミキサー食」です。「極きざみ食」「ミキサー食」は、味や香りは
工夫出来ても食材そのものに形がないため、見た目が悪く、食欲がわく
食事ではありません。
 実際に食べてもとても美味しいとは言えない食事でした。

 そんな問題意識を抱えた中、当会の管理栄養士が、広島県立総合技
術研究所 食品工業技術センターが開発した
『凍結含浸法』のセミナーを
受講する機会に恵まれました。
『凍結含浸法』とは、たけのこ・れん根・ご
ぼう等の硬い食材でも、形・香り・味 栄養成分を保ったまま、舌で潰せる
ほど軟らかくする驚きの技術です。
「見た目は普通食で口に入れると舌
で潰せるほどやわらかい」
そんな高齢者施設にとっては夢のような技術
でした。
 
あと会では、早速食品工業技術センターと極きざみ食ミキサー食に代
わる
「形あるやわらかい食事」をご利用者へ提供する為の共同研究を始め
ました。法人内にプロジェクトチームを作り、試作・試食を繰り返した結果
『凍結含浸食』の実用化に成功しました。そして、この『凍結含浸食』の導
入により、現場から驚くべき成果が報告されました。

 寝たきりの状態に近く、また体力も衰えてしまい、いつでも
「極きざみ食」
のみのご利用者がいらっしゃいました。食事を目の前にしても、箸もつけ
ずに眺めていらっしゃるだけでした。
「極きざみ食」は、見た目が悪いばか
りか、いったい何の料理なのかさっぱり分からないため、食欲がわかない
のも無理はありません。
『凍結含浸食』の料理は、れん根のように硬いも
のですら、見た目はそのままです。味もはっきり分かります。素材が何であ
るか分かるおかずに、ご自分から箸を使って食べられるようになりました。
箸でつまんで口に入れて舌を使ってゆっくり潰し
「これは鮭よ。これはれん
根よ。ああ〜美味しいねぇ。」
などとおっしゃり、とても満足されました。自然
と摂取量も増えてきました。
「さあ〜食べよう」と言う意欲も増してきたのか
姿勢までよくなられました。

 また、自宅で段々と硬いものが食べられなくなり、体力も衰え、ついには歩
くことすら出来なくなり、ショートステイをご利用されたあるご利用者は、衰え
ていた食欲がうそのように、入所したその日から
『凍結含浸食』をすべて召し
あがられました。そして、段々と体力が回復し、リハビリをされて3ヶ月近くで
歩けるようになり、ついにはご自宅に帰る事が出来ました。
 その後は、食事は家族と同じ物を食べ、庭に出て草取りが出来るまでに回
復されました。本当に職員一同改めて食事の大切さに気付かされました。

 笑顔で食事を召し上がられるご利用者を目のあたりにして、この
『凍結含
浸食』
「介護食の革命になる」と確信しています。と同時に、これからの介
護は
「見た目に美しく形があり、美味しく食べられる食事」に変えていかなけ
ればならない。 と強く感じました。

 まだまだ
『凍結含浸食』は完成ではなく、日々研究を続けています。
今後もご利用者の栄養改善を図るため、利用者中心に考える食事の提供
に努め、幸せな生活を送って頂きたいと願っています。
 食は科学です。現在
『凍結含浸法』の技術を高める事を目標としています。
その為には、職員の質が向上し続けなければならないと考えています。
地域で暮らす高齢者の皆様に
「やすらぎ・よろこび・ゆたかさ」のある生活を
提供する法人理念実現のため、今後も地域の皆様にご指導を戴きながら
日々努力してまいります。