[市  政  報  告]

平成25 年度第3 回広島市議会定例会は9 月13 日〜 9 月27 日 15 日間開催された。補正
予算額は4 億6,183 万7 千円で補正後における全会計の予算額は1 兆1,521 億181 万2 千円
である。今回の一般質問で地域にとって重大な発言があった。
「安佐市民病院の建て替えについてである」
主旨は「武田学園から病院が移転した場合、跡地を取得して医療・健康・福祉に関する学部
を新設・再編し利用したい意向」
「現病院の土地が20 億円。荒下の土地が20 億円なら現在地の土地売却収入で荒下地区がそっ
くり購入できる」
「現在地と荒下をすりかえたらただの土地に病院が建てられる」
私は暴論だと考える。
40 年間中島地区と協力して発展し、隣接した南側の土地の地権者も家主も入居者も協力する
として印鑑を押してまで広島市 に申し入れをされている。
この事を無視して強引に荒下地 区へ病院を移転させようとする事は異様な 姿に写る。
そこで現在地に安佐市民病院が建てられるまでの経過をふり返ってみる。

昭和47 年1 月13 日 旧安佐郡可部町・佐東町・安古市町・祇園町及び高陽町の5 町で組織
された安佐郡広域合併研究会において総合病院を建設する計画が進み
安佐地区病院組合が設立
昭和47 年3 月30 日 県知事により病院開設許可(武田学園高等学校敷地)
昭和47 年4 月1 日 可部町が広島市と合併(広島市が病院組合加入)
昭和47 年8 月27 日 祇園町が広島市と合併
昭和47 年12 月6 日 (財)広島市開発公社、広島市が用地取得依頼のため武田学園を訪問
昭和48 年2 月23 日 市長より(財)広島市開発公社に対し用地取得依頼
昭和48 年3 月20 日 佐東町・安古市町及び高陽町が広島市と合併
同日広島市が改めて病院開設許可申請
昭和48 年12 月28 日 土地売買契約並びに物権補償契約を締結
(移転期日 昭和51 年7 月31 日)
支払い(土地代金)契約締結時(昭和48年12月28日)2 億円
登記完了時(昭和49年2 月26日)3 億円
土地引渡時(昭和52年10月15日)約8 億円
    (物件移転補償費)移転着手時(昭和49年12月16日)2 億円
移転完了時(昭和52年10月15日)約4 億7,000 万円
昭和49 年5 月頃 高校移転用地(高陽町中小田に古墳の存在判明)
昭和49 年9 月頃 「中小田古墳を守る会」結成、造成を断念
昭和49 年12 月16 日 変更契約(移転期日 昭和51 年12 月31 日に変更)
昭和51 年1 月頃 高陽町矢口の造成地に移転決定
昭和52 年1 月13 日 県知事より病院開設許可
昭和52 年7 月9 日 変更契約(移転期日 昭和52 年9 月15 日に変更)
昭和52 年9 月14 日 移転完了、土地の引き渡し
昭和52 年10 月15 日 土地代金及び移転補償費の残金を武田学園に支払い
(土地引き渡しが遅れたことにより利息相当額など1 億3,250 万円を
差し引き支払い)
昭和52 年11 月15 日 武田学園が土地開発公社に差し引いた額の支払いを求め提訴
昭和54 年12 月26 日 土地開発公社が取得土地の中に広島市へ寄付済みの土地があるので、
代金約4,830 万円返還するよう提訴
昭和60 年2 月27 日 第一審判決(武田学園、公社とも提訴)
昭和60 年3 月3 日 和解勧告
昭和61 年5 月30 日 和解案受諾、成立

当時の土地開発公社をめぐる用地取得の不透明を市議会としても無視できず、昭和52 年第3
回広島市議会定例会で佐々木千里議員の提案説明で地方自治法第100 条に基づく議会調査権
を付与した調査特別委員会を設 置した(以下敬称略す)。

委員長 鈴木  修
副委員長 今田  智、佐々木千里、植田 高明
委  員 岩渕 泰夫、新原  稔、山口 氏康、井手 正夫、井上  貞、海徳  貢、
住田 孝行、兼枡 栄二、西村  敏蔵(以上13 名)

可部ジャングル温泉用地の報告がなされた後、昭和53 年第4 回広島市議会臨時会で鈴木委
員長、今田副委員長、新原、兼枡委員が辞任

委員長 上村 吉郎
副委員長 久保井時雄
委  員 増田 正昭、八百千頭夫 が選任された

昭和53 年第6 回広島市議会定例会で上村委員長から武田学園用地取得について報告がなさ
れた。


買収の経過
昭和47 年12 月6 日 武田学園に用地買収申入れ
武田学園16 億5,000 万円提示
昭和48 年2 月21 日 広島市が広島財産評価委員会 評価額11 億8,644 万1,500 円を武田
学園に提示
昭和48 年6 月15 日 武田学園16 億5,000 万円は昭和47 年12 月時点の評価で現在は価格
が上昇と申入れ
昭和48 年10 月15 日 広島市16 億7,500 万円を武田学園に提示
   その後 武田学園は池永清真議長に増額を陳情
昭和48 年12 月15 日 池永清真議長より紹介された経営情報センター代表取締役 下土井澄
雄氏、武田学園より売買交渉の委任を受けた旨、公社に来訪
昭和48 年12 月25 日 下土井澄雄氏 下限度額20 億5,000 万円を提示
昭和48 年12 月26 日 公社津田理事長と交渉
昭和48 年12 月28 日 3 万1,712.61 uを土地代13 億116 万8,388 円。物件移転補償費6 億
6,912 万6,371 円。合計19 億7,029 万4,759 円で広島市用地取得

@ 用地取得に当たって境界確認の不備、不必要な土地の購入、道路寄付等基礎的事務処理が
無責任に行われている
A武田学園の提示額が大幅に高いため短期間に再評価が行われている
B 下土井澄雄氏には代理人としての委任状の未入手、売買契約書には仲買人の記載3 回にわ
たる証人申請にかかわらず出頭されなかった
 数々の点が指摘されている。

安佐市民病院用地取得の委員長報告に対して発言された議事録を一部お知らせします(昭和
53 年12 月20 日(水)昭和53 年第6 回広島市議会定例会会議録第4 号)
○  12 番(井手正夫君) 私は公明党を代表して、ただいまの委員長の中間報告に対しまして、
意見を含めた質問をいたします。
ただいまの委員長の中間報告の中で安佐中央病院用地取得に関する土地公社調査特別委
員会の調査結果報告の中に政治的な背景があったことについて、ほとんど触れていない
が、安佐中央病院用地の取得に ついては典型的な構造汚職事件であると報 道されており、
関係者の証言等によっても、数の市議会議員が介入していたことも判明 しており、政
治的な背景があったことは明ら かであると言われていると ころであるが、本委員会の指
名と目的はなぜこのような市民の信頼を裏切るような事件が発生したのか、この原因を
調査し、今後再びこのような事件を起こさせぬための徹底解明にあったはずである。調
査内容の枝葉のみに触れて、事 件の根本を棚上げした報告は市民の期待に 反する行為
言わざるを得ない。
なぜ政治的背景と今後、司法当局の解明を望む以上のことを報告の中に入れるようにと
の委員の強い意見が受け入れられなかったのか、その理由を明らかにしていただきたい、
以上です。
○ 議長(宮本正夫君) 上村議員
○ 47 番上村議員
○  47 番(上村吉郎君) ただいまの井手議員の公明党を代表してのご質問でございますが
副委員長の佐々木議員もおられますし、井出議員もこの委員会としての経過報告は十分
ご存じのことと思うのでございますので、これ以上は申し上げません。
○ 議長(宮本正夫君) 2 番岩渕泰夫君
○  2 番(岩渕泰夫君) 私は日本共産党を代表して、ただいま読み上げられました委員長報
告に対して、2 点について質問いたします。
まず第1 点はこの報告の中にそれぞれの委員から出され、また、私自身 も提案したその
点がきわめて不十分にしか採用 されていないという点でございます。
なお、また全く採用されていないということも明らかになってまいりました。
その点は先ほどもありましたけれども、安佐中央病院の問題につきましては、明らかに
議員の介入があったということ はすでに明白になっております。こうした 問題がなぜ明
らかに委員長報告の中に採用さ れないのか、きわめて不審にすら思うもの であります。
── 中略 ──
なお、その中で下土井氏の告発 については当然のことでありますので、こ れは賛成をい
たします。
○ 11 番(山口氏康君)
── 中略 ──
つまり市の土地を買うのに開発公社という隠れみのを使って取引が行われ、その中で甘
い汁をすった者がおったということが問題なのです。
そのような構造は一体どうなっておったのか、また、それをした人は何びとなのか、こ
れが解明されなければならないし、そのために特別委員会ができたわけであります。
先ほどの報告の中ですでに触れられましたが安佐中央病院について言えば、16 億数千万
が19 億7,000 万にはね上がって約3 億の上積みというのは、安 佐中央病院用地として
武田学園の理事長が池永議長に 陳情をし、池永議長が下土井氏を仲介とし て代理人とし
て交渉をさして上積をさせたと いうのが事実と思うのです。そ の事柄を明記せずして中
間報告はありえない。きたない。
── 以下略 ──
安佐市民病院周辺図
病院事業局は荒下地区に病院を建てると3 年 現在地建設では7 年と短期建設を強調され
た。
荒下地区は区画整理で2m かさ上げする。
安定期間は全く話されなかっ た。その確認は誰がするの か。
その上、更に市は1m 盛土する。この費用も報告される事はない。
現在地の地主、家主、入居者の同意が確実になってようやく現在地も3 年で建つが更地にす
るのに1 年かかると強調している。
@私が懸念しているのは太田川河川事務所との関係である。
広島市が依頼すれば早急に考えてくれると話されるがどうであろうか。
 広島市は国要望として「平成 26 年度主要事業に関する要望書」を市長と市議会議長連名で
7 月に提出された。
太田川については
1.太田川中・上流部の洪水対 策の促進
2.支川矢口川の内水氾濫対策 の促進

今一つは
1.高潮堤防の早期完成
2.堤防の耐震性向上対策など 防災対策の促進
を要望している。どちらも継続事業である。
高潮対策も重要でまだまだ道遠くという感があるが地元に直接影響がある。太田川中、上流
部の輪中堤 現在16 箇所のうち13 箇所完成。あと3 箇所の整備を要望している安佐町脇田
地区、中組地区、川平地区これらは出来ていない。これらは無視して良いのか。それ以上に
も未整備な地区や三篠川水系にも懸案となっているが40 年も放置されている地区もある。
 大毛寺川は上流に谷和川、綾ヶ谷川等の暴れ川の下流にあり過去何回も不幸な歴史をもっ
ている。その太田川の合流点の手前の旧鉄道橋や灰川橋の強度の不安もあり太田川河川事務
所と協議すべきと考えるが一向に協議する気もない。
 都市計画街路藤ノ森・大毛寺線は幅員16m だが藤ノ森の堤防の定規断面のことがあるから
協議はというと9m だから話さなくて良い大毛寺川の流末に橋をかけるだけだと言う、橋を
かける協議がいるではないかといっても反応がない。
 「治水は国の重要な役割り、 いつでも市が要求すれば応じるものと決 まっているものではない」
病院事業局の地元での説明は河川事務所にどの様に伝わっているのか考えた事があるのか、
道路交通局や下水道局の足を引っ張らねばよいがと心配している。

河川
洪水対策
A道路について病院事業局は拡張します、バスを通しますと述べるものの例えば県道宇津可
部線と都市計画街路可部宇津線は灰川橋付近では違った所を通る。これの路線の一本化はす
ぐ出来ます。と答えた、それは県道宇津可部線の拡張です。
しかし広島市都市計画審議会 県の都市計画審議会も度々開かれるとは承知していない。道
路交通局も危機感がまったくない。
都市計画街路可部宇津線に使われた金額は平成12 年から平成24 年までで5 億5,700 万円 
すべて単独市費。
国の補助金をつかわないから系 統だって整備しなくて良い。用地費の土地 単価もその都度評
価すれば良い。
こんな姿勢が見えるのは寂しい 限りである。
しかし市民には本事業で都市整備は立派にできると話しながら、今は暫定で地主に影響が少
ない単独市費を使います。計画では都市計画街路藤ノ森大毛寺線は幅員16m、都市計画街路
可部宇津線幅員12m、それと新設される鉄道との交差は橋にします。当然側道もバスが通れ
るように幅員もとります。家屋の立ち除きは都市計画街路です。踏切の説明図でも説明しま
した。関係者は判断できる筈です。こんな姿勢に見えるのはいかがなものか。
都市計画街路を計画通りにしな いので国の補助はいりません。一部を市が 単独市費で施行し
ます。これでは市の道路整備は 進みません。他の事業も進みません。
市の財産確保は大事なことで す。補助金の獲得も必要です。市単独施行の 道路はほとんどす
べてが市費のみの持出しの現状 を憂います。
最後に私見を述べる用地買収は本来更地にしたものを買うのが当然の事である。しかし武
田学園の土地は道路の買収と同じ様に建物補償を含め市の当初評価した価格11 億8,644 万
1,500 円から
最終価格 土地代 13 億 116 万8,388 円
     補償費  6 億6,912 万6,371 円となった
ここに問題があった。
これが市議会100 条調査委員会設置に連なっていると思う。
物件補償費を6 億7,000 万も使って確保した土地。
市は持ち続ける意志で購入し地域もそれを受け入れた。
それが今武田学園に売るために一棟耐震構造のものを残して別の土地を求めるとはどんな感
覚なのか。
40 年前に市費約20 億円を投入した学園に再度利益を供与するかつて100 条調査委員会を設
置した議会への再度の挑戦に何 の意味があるのか、大きな 疑問である。
僅かな期間に大量の現在地での建て替え署名そして駐車場附近の住民の同意書。
ここらを無視することは出来ないし市民の監視は市議会にも注目していま す。


                            自由民主党・保守クラブ承認済



 昭和53 年第2 回広島市議会で昭和53 年3 月29 日広島市土地開発公社の公有地取得に関
する調査特別委員長鈴木委員長の報告の 最後の文句を書きとめま す。
市の公共事業を推進するためには、公共用地の取得は将来とも切 り離せない問題です。これ
が取得に当っては、多くの情報の収集並びに提供は当然必要とさ れ、地域の実情に明るい議
員の紹介もまた起り得ることと思われます。
しかしながら、そこに明朗にして清潔な軌道を残していることが市 民の負託を受けた議員と
して不可欠の要件であります。
議員は改めてこのことに思いを寄せ議員活動に精進しなければなら ないと考えております」

可部地区都市計画街路図