少し肌寒い、公園付近、殺風景だが、のどかなお昼下がり、
子供達の甲高い声がとくにあたりに響き渡る
泥んこになって無邪気に遊んでいます。
そこの公園の片隅のベンチで食後のいっぷくとばかりにタバコを吸いながら、
子供たちを漠然と眺めている男性がいた。
ふと、人の気配に気づいて、あわててタバコを携帯用の灰皿にもみ消した
男性がこっちを向くのを見計らったように目の前に立ってた女性が、
にっこりと笑顔をみせて
「これからよろしくお願いします」と元気いっぱいに挨拶をし、その明るさにつられる様に
タバコを吸っていた男性が
「はじめまして、堀 裕治です。23歳のフリーター兼俳優見習いというところですね。
暇なときは勉強のために映画や舞台を見に行ったりしています。それにTVドラマ
とかも見ますね。暇なとき何をやっていますか?」
「私は、亜由美で〜す」と大きな声で挨拶をし長めの髪をなびかせながら
照れ笑いをして
「暇なときですか〜?暇してま〜す」
「暇してるんですか。確かにその通りですね」
亜由美のその返事に苦笑を漏らしながら答え。
胸ポケットのタバコに手を伸ばし、はっと、我に返り亜由美の存在を思い出した
「すみません、タバコを吸っても大丈夫ですか?」
「構いませんよ〜」
「ごめんなさいね。ヘビースモーカーなもので」と言い、1本吸いだした
それを見て亜由美も欲しくなったのだろう
亜由美も鞄からタバコを取り出し、吸い始めた。
堀がポケットから携帯灰皿を出して、
「使ってください」と差し出した。
「ありがと〜いつももってるんですか?まじめな方なんですね〜」
「最近は灰皿のない公園が増えましたから、持ち歩くようにはしているんですよ。タバコのポイ捨てはしたくないのでね。」
「エライ!!大人の鑑ですね!!」
「私はついつい・・・」と言い黙りこんでいき、深いため息をついた
「私も忘れることありますよ。公園に着いた。さぁタバコを吸おうとして
灰皿がないことに気がついて、あわてて近くの喫茶店に入って余計な出費したり
とかしてますし」
乾いた笑いを浮かべながらフォローになってないフォローを繰り返した。
一息タバコを深く吸い込み、紫煙を吐き出した後、
「このまま立ち話もなんですし、お互いにこれ、吸い終わったらどこか行きません?」
と右手の人差し指と中指の間に挟んだタバコを掲げて、亜由美の意見を伺った
「私、ここまで車に乗ってきたので、ドライブでもどうですか〜?」
「ドライブですか。・・・いいですね。湾岸あたりを流すのも気持ちいいですし、
西伊豆の海岸線もなかなかの景色を楽しめますし・・・」
「ま、適当に流してみます?。私も運転できますが、どちらが運転しますか?」
吸い終わったタバコを携帯灰皿でもみ消し、おもむろにジーパンのポケットから
日産のセレナのキーを出して見せた。
「今日は車できてないので、そちらの車に乗せてもらいますけどね」と苦笑を見せた。
亜由美は口元に両手を覆い隠すように
「セレナか〜いいね〜〜大きな車で〜〜私のはマツダのAZワゴンなの〜」と言い、
「こっちよ」と堀を手招いた。
「AZワゴン、いい車じゃないですか。軽自動車のわりに結構走れますから。その点、
うちのセレナは年式古いからほんと荷物運びの荷車ですよ」
亜由美の手招きにしたがい、彼女の車に近づき
ハッと思い出したように
「ちょっと原チャリにチェーンつけるの忘れてきたのでかけてきます」
「うん、ここで待ってるね」といい運転席に乗り込んでタバコの火を消した。
堀は、もといた公園のそばに止めた原付にチェーンをかけ、
あたりを見渡し、そばにあったジュースの自販機で自分と亜由美の分の缶コーヒーを買い
小走りで車に向かっていき
「お待たせしました。お詫びにこれをどうぞ、缶コーヒーで申し訳ないですが」
買ってきた缶コーヒーを亜由美に渡した。
ちょっと顔が動揺し
「ありがと〜〜〜」
その顔を見て堀はすかさず気づいた
「あっ、コーヒー苦手でした?ついでに買ってくるつもりでしたから、聞いておけばよかったな」
と頭をかきながら、亜由美に続いて助手席に乗り込んだ。
その時、一人駆け寄ってくる女性がいた。
頭を下げながら「遅くなってすいません」
「参加者の一人のナッキーです。よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします。私は堀と言います」
「私は亜由美〜よろしくねっ」
「よろしくお願いします。」
駆け寄って息を上げているナッキーに堀は自分のコーヒーを差し出した
「これでも飲んで一息ついてください」
「ありがとうございます。じゃあ、代わりに堀さんの飲み物を買ってきますね。」
といい同じ缶コーヒーを買いに行った。
「あ、気にしないでよかったのですが、ありがとうございます」
そう言って缶コーヒーを受け取った。
ナッキー「今からどこに行きます?」
堀「とりあえず亜由美さんの車でドライブです。行き先は・・・」
ここまで言ってから笑みを浮かべ、
「気の向くまま、風の向くままの行き当たりばったり何てどうですか?
このままドライブを続けるとフジテレビの「あいのり」のようになってしまいますね。
亜由美さんのAZワゴンが「ラブワゴン」に・・・」
亜由美が堀の顔を見て「両手に花だね〜〜うふふふ」と笑った。
堀も苦笑を浮かべ「きっと言われると思っていましたよ」
ナッキーも声を出しながら
「風の向くままか〜。いいですね。ほんと、あいのりみたいですね〜。
亜由美さん、私も免許持ってるんで、疲れたら言ってくださいね。
その時は運転変わりますね」
亜由美「うん。ありがとね〜〜その時はよろしくねっ。あいのりか〜〜」と言い
急に亜由美の顔が「ん?」っと眉を細めた
「ほりっち、ってことは、私は運転手さん〜〜?!」
ニヤッといたずら小僧の様な人の悪い笑みを浮かべ
「そうですね・・・・。そうなりますか・・・」と、いった後
「運転は皆で交代交代やりましょう。それなら全員が運転手です」
と笑いながら答えた。
ナッキーが突然口を開き「あっ、そ〜だ。それと、これからいろいろ遊ぶわけだし、
みんなのこと、堀さんは、「ほりっち」、亜由美さんは、「あゆ」って呼んでも
いいかな?」
亜由美は笑顔で「うん」と返事をして
「まー車にのちゃってください」といいナッキーを誘った。
「ありがとう」といい運転席の後ろに座わり、それを見計らい
「ほりっちですか?かまいませんよ」と微笑しながら答え、ナッキーと亜由美の顔を見ながら
「まず最初の行き先はどうしましょう?・・・特になければ、一面の花畑、なんてどうです?」
「場所は千葉の千倉。田んぼを冬に花を植え、花畑にしているところがあり、今ですと菜の花などが咲いています」
ナッキーが笑顔で「おっ、いーねー、ほりっち。 一面、花畑なんて、
見たことないから見てみたいなー。」
亜由美「私も最近仕事に追われっぱなしだったから見てみたいね〜。それにしても
ほりっちってよく知ってるね〜長距離ドライブよく行くの?」
と色々話しながらエンジンをかけ、車は千葉の千倉を目指すことになった。